« 9. September 2004 | トップページ | 13. September 2004 »

「強育論」から学ぶ「生還論」

  開成・麻布・桜蔭・筑駒などのトップ校に無試験先着順の入塾で85%の進学率を誇る算数教室主催者の宮本哲也さんの「強育論」を読んでいます。すごい勢いで後半の半分を読みました。

 ちょうど「ドラゴン桜」を読んだころに本屋で目にとまり、少し記憶があった本を、25歳の社長さんから「読みました?」と言われていたのでした。

 結論からいうと90%同感です。「手順暗記型学習法」に対して「試行錯誤型学習法」でしか本当の「学力」は身につかないという論には全く同感です。私自信、開成校に合格したときまでは、この学習法を(幸いにして)徹底して行っていました。合格後はある目的のために徹底して逆を行いました。これは絶対人には勧めません。

 問題の解き方には二種類あります。「駿台型」と「代ゼミ型」です。前者は時間がかかっても公式など使わず、一から自分で解いていくやり方。後者は公式にあてはめていくため、解く手順を覚えていないと解けません。大学時代、私は理系でした。大学時代、ポケットコンピュータによく公式を覚えさせたものです。
 
 ところが、公式などほとんど覚えずに論理立てて黙々と解いている男がいました。それは大学一年時、物理の試験でのことでした。
 
 彼は試験時間が過ぎてもなお、黙々と問題に取り組んでいたのです。試験監督は院生でしたが、彼の気迫におされたのでしょうか、あるいはわかっていたのでしょうか、何も言わず終わるのを待っていました。我々も彼が終わるのを、ただひたすらじっと見つめながら待っていました。

 結果は彼がトップレベルの高得点でした。ほぼ満点に近かったのではなかったでしょうか。
 私が周りの友人から二種類について説明をいただいたのがこの時でした。
 黙々と解いた男は駿台予備校で、東大を目指していたそうです。残念ながら東大には行けなかったけれども、彼の体には王道の取り組み方が染み込んでいました。私を含め、周りの友人ほとんどがその王道をあきらめ、型をなぞっていく解法へといつのまにかシフトしていたのでした。
 特にわたしなぞは付属あがりで、「情報戦」だけで単位をとるしか脳がなかったので、彼のような王道を見たときのショックは相当なものがありました。

 強烈な印象というものはその後の時々で、刺激的に私を王道へと導いてくれました。

 ある問題に立ち向かうとき、すでにある解決策にあてはめて対処しようとしても矛盾が生じたり、解決にならなかったりすることがあります。それは、根本的に解決していこうとねばらず、楽をしたから、当然の結果といえます。
 公式にあてはめるだけの訓練しかしてこなかったら、これから起こる未曾有の難問に対応することは到底不可能です。先ほどの痛烈な体験をしてから、こういった思考法を「代ゼミ式」と自分の中では勝手に名づけ、特に仕事では徹底して排除しようと努めました。

 はたから見ている人や、とりあえず目先の切り抜けだけを気にかけている人にとっては何でそこまで考えるの?
と思われていたかもしれません。しかし、これが後に役にたちました。今現場から少し離れていることができるのも、当時発生した問題点に正面から、根本的に取り組み、まさに現場で試行錯誤した成果があるからなのです。
 
 FCで発生している問題のほとんどはすでに私たちが経験してきたことです。ですから色々と問題点をあげてもらうと「次はこういった問題が起こりますね。」と予見できるわけです。
 今現場を引き継いでくれている若きリーダー達も同じ遡上にいます。

 さて、あなたは「駿台派」ですか?それとも「代ゼミ派」ですか?


 「急がば回れ」 

 これが結局のところ最も近道だったりします。
 
 ちなみに私の物理の答案には、「ああ、恋人よ、この世に物理学といふものがあるならば・・・」の一文が。
 
 北杜生「ドクトルマンボウ青春期」を読んだ人は、私が試験に通ったか否か、重ね合わせて想像していただくことが

できると思います・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)